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母親には劣るけど、子育てに奮闘する父親の日記

育児本レビュー:「賢い子」に育てる究極のコツ


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著者:瀧 靖之

出版社:文響社

価格:1320円(+税)

 

東北大学加齢医学研究所の先生が書いた書籍です。脳の発達と加齢のメカニズムを研究されており、16万ものMRI画像から分析された研究を基に書かれています。

 

「健康に育ってくれれば十分」と思いつつも、「できれば賢く育ち、高学歴を得てほしい」と願ってしまいますよね?

「どうすれば勉強嫌いにならず、自ら進んで何かを学ぼうとしてくれる子になるんだろう…」とぼくは親としていつも思います。

 

著者によれば、そのきっかけは3歳~5歳に訪れるそうです。

 

第1章で書かれているのは、『好奇心』がどれほど脳の発達にとって重要かということです。幼い頃に『好奇心』を高めた子供は、将来の認知症のリスクが軽減されるとも述べています。

では子供が『好奇心』を養うのに有効な手段は何でしょうか?著者によれば、それは『図鑑』だそうです。

だとすれば、子供に『図鑑』を渡して「これを見なさい」と言えば良いのかと言うと、そうではありません。必要なのは、図鑑で見た『バーチャルな知識』『リアルな体験』を結びつけることだそうです。『リアルな体験』を通じ、バーチャル体験したものを、見る・聞く・触るといった感覚を刺激することが大切なんだと思います。この『結びつけ』を支援するのは親の役割です。そして、子供が疑問に思ったことを親が積極的に答えない方が、子供にとって良い影響を及ぼすそうです。なぜなら、子供が自ら「調べよう」という気持ちが芽生えるからです。そして著者によれば、『図鑑』を手にするのに最適な年齢は、3歳~5歳だそうです。本書では、上記の『好奇心』が学業にどのように結びつき、「学校の成績が良い」だけでなく、その後の人生において本人が理想の道を歩むのに必要な『好奇心』の重要性について述べられています。

 

第2章ではまず、どのようにすれば子供が図鑑に興味を持つかについて書かれています。「せっかく図鑑を買ったのに、子供が全然興味を示さない」なんていうことは容易に起こりそうです。そんなときに大切なのが、『親である自分がその図鑑に興味があることを示す』ことだそうです。子供は親をよく観察しているので、「自分の親が楽しそうに見ているのは何だろう?」というところから興味が芽生えるのだと思います。そして、『毎日少しでもいいから、図鑑を一緒に見る時間を作ること』がとても大切だと指摘しています。その際、親としては、「これはちょっとレベルが高すぎるかも…」などと制限する必要はないそうです。

そして次に、図鑑から得る『バーチャルな知識』と『リアルな体験』を結びつけることを意識的に行っているのが、『伸びる子の親』だと述べています。でも子供にリアルな体験をさせるために、いつも自分の時間を犠牲にすると親がストレスフルになってしまいそうです。それを回避するには、『親である自分が好きなことを通じて、リアルな体験を子供にさせる』ことだと書かれています。ぼくは家庭菜園が好きなので、野菜作りという『リアルな体験』を子供にさせて、植物の図鑑で『バーチャルな知識』を与えれば良いのだと理解しました。

第2章の最後では、音楽』が子供の発育にとって非常に良い影響を及ぼすことが記されています。著者によると、音を司る脳の領域と、言語を司る脳の領域はほぼ重なっているそうです。そのため、幼少期から音楽を習っていると、他言語をマスターするのが早いという傾向があるようです。ぼくは幼い頃に音楽に馴染みがなかったせいか、仕事に必要な英語の習得に苦労しています(涙)言い訳ですけどね…

 

第3章では、成長に合わせた発達機能について説明されています。赤ちゃんは目と耳の発達が顕著です。この時期にたくさんの図鑑や絵本を見せて視覚を鍛え、たくさんの音楽を聞かせて聴覚を鍛えると脳の発達にとって大きなプラスになるそうです。確かに自分の子供は首が座る頃には何となく動くものを認識し始めたように思いますし、1歳くらいになると音がでるおもちゃを楽しんでいたように思います。産まれてから数ヶ月~1年の発達だと思うとすごいですね。

そして3歳~5歳では、音楽スポーツの才能の発育が著しいそうです。この時期にスポーツを習い始めて、将来的に世界を代表するアスリートになった人は多いそうです。音楽に関しては、音楽自体の才能開花もありますが、将来的に学業にも大いに影響を及ぼすそうです。東大を始めとする難関大学合格者の約半数は、幼少期にピアノを習っていたという民間会社による統計があるとか…(ぼくも東大卒ですが音楽は習っておらず、周りにそんな友人が多くいたかというと…この統計に対して疑問を抱きます)ここで述べられている大切なこととしては、年齢が低いほど能力を得られやすいのは事実ですが、年をとっても脳は成長するということです。何歳になっても新しいことにチャレンジするモチベーションになりますね。

8歳~10歳では、語学の能力が開花するそうです。この時期に日本人が苦手としている『英語』を勉強すると効果的なようです。英語を学ばせるのは早いほど良いと思われがちですが、実は小学校の低~中学年くらいが最適ということですね。著者によれば、幼少期は『英語』より『音楽』の方が、その後の脳の発育には効果的な影響を及ぼすそうです。10歳~思春期では、コミュニケーション能力の発達が著しいそうです。自分を振り返ってみても、難しいお年頃ですよね…ですが、この時期には多くの人と接することで、社会に出るときにとても重要な能力を身につけることができると言えそうです。公園でゲーム機で遊んでいる子供たち、もったいないですね。

 

続く第4章では、親が子供の好奇心を引き出してあげることの重要性が繰り返し述べられています。子供があることに対して好奇心を抱いたら、親はそれを支援すべく与えることが大切なんだと思います。興味深かったのは、『脳の発達は、おおよそ七割が遺伝で決まる』けれど、『学習技能に関係する部分ほど遺伝の影響は受けづらい』そうです。ぼくはものすごく絵を描くのが不得意ですが(ある意味、神秘的な絵を描きます(笑))、子供が興味を持ち、そのサポートを上手にしてあげれば、ぼくの子供が画家になる可能性もあるということですね。多くの才能は後天的に育まれるものだと著者は述べています。

また、幼い子供が「将来○○になりたい!」と言ったとき、親としては「そんな夢、叶わないだろうな~」と思うべきではないと指摘しています。子供がその職業に興味を抱いたのであれば、積極的に体験できるようなチャンスを与えるべきだそうです。我が家の長男くん(4歳)のように、「ジュウオウジャーになりたい!」というのは考えものですが…例えばコックさんになりたいという夢を持った子供と、一緒に料理をするといったことが親の役割なんだと思います。自分を振り返ってみてもそうですが、『将来の夢』は変わることもあります。それはそれで良いことで、大切なのは「子供が興味を抱いた時に後押ししてあげる」ことだそうです。

 

最後の第5章では、日常生活におけるアドバイスが述べています。やはり子供の発育にとって、『睡眠』はとても重要だということが分かります。長男くん(4歳)では10~13時間、次男くん(1歳9ヶ月)では11~14時間の睡眠時間が推奨されています。お昼寝させる場合も、長時間でない方が良いようです。それよりは夜にしっかり寝かせる習慣をつけ、寝る前には読み聞かせを行うことが勧められています。寝ている間に直前に学んだことが脳にすり込まれるとされていることが理由です。これは大人にもあてはまるので、例えば英単語を覚えたいのであれば、寝る直前に勉強するとベストだそうです。ただし、勉強した後にテレビを見るなどほかの事をしてしまうと、記憶の効果は薄れるとのことです。

また、我が家にも将来やってくるかもしれない『子供とゲーム機』に関する対処方法も述べられています。端的にいうと、強制的に止めさせるのではなく、子供が『他に楽しいことがある』ことを自発的に気づくのを待つのが対処法のようです。そのために親は工夫をして、子供が好奇心を抱く何かを見つけれるようにすべきだということですね。更に、朝食についてもアドバイスが書かれてあり、低GIのものが望ましいようなので、すぐに実践したいと思います。

 

以上はこの本を読んで、ぼくが重要だと思ったことと感想です。本書では子供のため、自分のために知っておいた方が良い情報をもっともっとたくさん見つけることができます。そのため、何度か繰り返し読んでみようと思います。

 

個人的には非常にお勧めする本です!2~3時間で読めると思います。ぜひ読んでみてください。

 

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